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COVID-19と対峙する麻酔科医のためのリンク集

COVID-19 pandemicを受けて、欧米ではすでに定時手術を含めた通常診療が制限され、今後日本でも麻酔科医がICUないし手術室でCOVID患者の診療に当たることも十分に予想されます。 以下のリンクが、お役に立てば幸いです。 随時更新していきます。 ...

2020年1月22日水曜日

ペースメーカー・ICD植え込み患者の麻酔 Complications in Anesthesia 輪読会 2020/1/21

”Complications in Anesthesia (3rd edition)”の輪読会を行っています。

https://www.amazon.co.jp/Complications-Anesthesia-Lee-Fleisher-FACC/dp/1455704113

当院で最近あったケース
★外科の消化管穿孔の緊急手術で、ペースメーカー植え込み患者の依頼あり。夜中の3時で業者は来院できない。どうする?
→結局マグネットモードを使用した。万が一作動しない場合は、電気メスの干渉でペーシング不全になるリスクを考え、経静脈的ペーシングの使用を考慮したが、問題なく手術終了した。★


CIED=PM+ICD

CIED患者は高齢化により増加傾向にある

胸部Xpで確認:RA、RV lead, ICDのshock lead
CS lead = CRT

ICDはペースメーカー機能をあわせもつ
S-ICD:ペースメーカー機能なし
Leadless pacemaker : VVI(R)のみ

術中の最も多い問題はペーシング抑制と不適切な抗頻拍療法

EMI(electromagnetic interference)
単極型電気メス 対極板の貼る位置に注意 電流がペースメーカーを通らないように
バイポーラは起こしにくい
Ventricular oversensing→pacing inhibition

マグネット
緊急手術にはよい適応(業者がすぐに来れないなど)
不確実性
Leadless PMには使えない

患者がPM植え込み、と言っても実はICDだったりすることもあるので注意

術中の推奨事項
rate responsivenessモードはoffにする
患者の自己脈、リズムをチェック、ペーシング依存かどうか
術中の組織への酸素供給が十分高まるように心拍数を調整した非同期モードにする
ICDは抗頻脈治療(DC, ATP)をoffにする
心電図のフィルターモードをoffにする(ペーシング検知できるようにする)

術後は元の設定に戻し、ちゃんと機能しているかどうか設定確認を行ってもらう
ICDの抗頻脈治療を戻すのを忘れずに。

#モノポーラメスの場合、凝固モードの方がカットモードより電磁干渉が多いというのは初めて知りました。

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